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穏やかでありながら驚くべき効果を生み出す

What Is Decompression? ディコンプレッションとは何か

ディコンプレッション 、コンプレッション、ポジショナル リリース

ディコンプレッション(decompression)
強張っている、縮まっている、あるいは圧がかかっている(= compressed)もの・状態を解放する・解き放つ、なくす(=de)、という意味。

クライエントは、身体の強張り・拘縮のある部位を楽にしたいと望んでいる。ボディワーク・手技療法の殆どの手技においては、徐々に圧をかけてその部位を圧倒することで解放を促して行く。

バケツ一杯の水を持って丘を登っていくと想像してみよう。そこに友達が通りかかり、ハンドルの一方を友人が持ち、一緒に歩いてくれたとする。友人はバケツの重さ全てを持ってくれるわけではないが、あなたはその人の手助けに大変大きな安堵感を得られることになる。
ディコンプレッションでは、まさにこのことが起こるのである。つまり、強張っている組織を「助ける」ために大変わずかな圧を用いて、すでにその組織がしていることを助長してあげるのだ。それは、組織を圧倒することをせずに、である。
クライエントは大きな安堵感を得、痛みも生じることなく解放することができる。
 

ここでのディコンプレッションは、筋肉、関節、健、筋膜等の結合組織がすでにしていること(圧縮・拘縮)をさらに助長(つまりさらに僅かに縮める・寄せる)し、組織が自ら解放することを促す。用いる圧は大変軽いので、組織を痛めることもさらに痛みや不快感を増すこともない安全かつ効果的な方法である。
バケツの重さを助けてもらう時のような安堵感が生まれるので、機械的に圧をかけることで生まれる開放よりもより自然で、これまでには経験がないような心地よさを生み出すものとなるのだ。

「ポジショナル リリース(positional release)」と呼ばれる手技の一分野がディコンプレッションであり、ポジショナル リリースのように身体の位置を固定するためのマッサージ テーブルがなくても、重力を利用し、筋肉などの方向を見極め、(圧をわずかにしかかけていないため)組織の反応を感じ取りつつプラクティショナの手で穏やかに行うことができる。

どこまで力を使うのか 体重を乗せたり指で押したりすることでいつまで身体を酷使する施術を続けるのか

整体や指圧、マッサージ、理学療法、柔道整復などのあらゆる徒手療法、手技療法、ボディワークにおいて、親指とその付け根に痛みを覚えている施術者は数多くいます。姿勢がいつも前屈みになり、腰痛や背痛、肩の痛み、首の不具合を抱える人もいます。

このままで、一体いつまで人の身体を癒す仕事を続けられるのか。もっと自分の身体に痛みがでたり不快感が増したりしていったら、人を楽にすることなど続けられるのだろうか-

これはボディワーカー・手技療法を生業とする人にとって大きな命題になります。答えを求めようとしても、仕事は続けなければならない、そしてまた毎日身体を痛めて疲れが取れないままで次のセッションの予約を取る、という繰り返しになります。

身体は驚くべき精密機器と言えます。
例えば、深部筋マッサージや強い圧を使うタイプの指圧や整体では、一旦は痛みが引きますが、また戻ってきます。もみ返しなどと説明をしたり、あるいは身体の毒素が溜まっているのがでてきているから水をたくさん飲んで下さい、と伝えてクライエントを返したりするプラクティショナがいます。しかし、これは身体の自然な反応と言えます。強い力をかけられたなら、身体は防御反応をするのです。痛みやぶり返しが来るのは当然であり、身体はできる限りのことをすぐに行って自らを回復させようとしているのです。このディレンマ(板挟み)をどう解決したらいいのでしょう。

今までよりもかける圧を減らしてみようか
肘や膝を使って押すようにしてみようか
もっと体重をかけていこう
全く違う手技を探して楽にできる道を探そう…

身体が疲れ続けている、痛みが続くようになると、施術者は色々な解決策を考えます。年齢が上がっても続けられる鍼灸の資格を取ったり、力を必要としないリラクゼーションへと移行したり、働きかける身体部位を限った手技を学ぶ人も出てきます。または、今までのような症状への働きかけを諦める人もいるでしょう。

力をあまり使わず、圧をかけすぎず、施術者にもクライエントにも負担や痛みを生じず、症状や状態の改善と解決に明らかな効果を生み出す技術があればいいのに、と誰しも思うはずです。

ディコンプレッション は、まさにその答えとなる施術法なのです

ディコンプレッション は、元々ポジショナル リリースと呼ばれる技術から派生しています。ポジショナル リリースは、身体が自ら自然に解放できる姿勢や位置に身体(身体部位)を据え、重力や軽い負荷によって解放を促す技術です。ポジショナル リリースの場合は、マッサージテーブルやマッサージチェアによって身体の位置を決め、縮めたり屈曲させたりして解放しますが、ディコンプレッションは、必ずしも位置を決められる道具がない場合でも、結合組織がすでにしていることをサポートするように手と重力を利用し、わずかな圧や圧縮で解放を促します。そして組織の反応を感じ取り、楽に解放している方向へと動いていくので、身体はさらに解放を続け、クライエントはほっとする安堵感とえも言われぬ心地よさを味わいます。

 

さらに効果を上げ、ボディワーク・手技療法を次の次元に運んでくれるものは

ディコンプレッション(ポジショナル リリース) 自体、それだけでも画期的・革新的で心躍るような技術と言えます。
学ぶためには基本的な解剖学や生理学も知識として必要ですが、そうした知識を得ると、ディコンプレッションの理論により納得がいき、実際に起こることをさらに理解して深めたいという好奇心がそそられるはずです。
ディコンプレッション自体は、力も特殊な技術も必要ありません。
必要なのは、まずは柔らかい手の用い方です。
触れている部位、身体組織の変化や動きを感じ取る必要があるので、圧をかけすぎずに柔らかに接触し、感じ取る能力を磨いていく必要があります。これを「傾聴する・耳をかたむける手」と呼んでもいいでしょう。
この繊細さ、感じ取る能力には、施術者自身のトレーニングが必要不可欠になります。
それは、ソマティクスという能力に気づき、深め、精錬していくことになります。
この能力を施術に生かすことで、どのようなボディワークであっても、施術者もクライエントも今までとは異なる次元へと入れるようになるのです。

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