坐骨神経痛は、座る時間が長い、寒くなると悪化する、腰痛から来る、原因が不明ながら繰り返す、といった様々なものがありますが、痺れや耐え難い痛みを伴うことも多いため、辛い時間を過ごすケースが多いものです。それも、すぐには解決策がないために温めて時間が過ぎるまで耐える、という方も多いのですが、神経の圧迫がどこで起こっているのか、梨状筋や回旋筋をどのように解放するのか、そしてそれに付随する仙結節靭帯やハムストリング筋、腓腹筋から足底までの繋がりを見ながら動きも回復できるよう手助けする必要があります。
胸郭出口症候群は、症状が手根幹に出るため手根管症候群と診断されて手術に至るケースもあります。しかし、重要なのは胸郭出口での神経の挟み込みを見極め、射角筋や胸鎖乳突筋を痛みなく開放し、上肢帯の動きを取り戻せるようにし、痺れや痛みで強張っている屈筋や伸筋群、掌と指まで丁寧に開放していきたいものです。
この二つの症状を身体の構造から見てみると、大きな関節を含む結合組織やそれらにまつわる組織などのあり方が似ていることも興味深く、痛みや不快感にも共通点があるのも一考する価値があるところでしょう。
さらに、そうした症状が機械的に生み出されるだけではなく、繰り返される動きや仕事でもプレッシャー、妊娠による心身への負担など、様々な側面があることも心に留めておきたいところです。