フォーカシングは、シカゴ大学の心理学科にて、クライエントを対象とした研究から生まれたカウンセリング技術です。
フォーカシングによって、身体を中心とした意識へとクライエントを誘うことができます。
創始者は、シカゴ大学の哲学者でもあったユージーン ジェンドリン(Eugine Gendline)と彼の同僚たちです。
1978年、ジェンドリンは『フォーカシング』という本を出版しました。体験過程療法(プロセス セラピー)において、クライエントが自らの身体感覚意識を育むことについてジェンドリンと同僚たちが発見した内容に関して初めて公にしたのはこの著書でした。そこでジェンドリンが述べたのは、クライエントが、療法家の質問に答える前に自分の身体的な感覚を確認した方がずっとよい治療経過を辿る、ということでした。
私は大学院在学中の1993年、指導教授の一人にフォーカシングを学んでみてはどうかと勧められました。私が、クライエントをセルフ-プレゼンシング(自ら今の瞬間に入る状態)へと誘うため、可能性ある手法を探求していることを彼女は知っていたからです。ついにフォーカシングを学んだ時には、タッチ(触れること)を共に用いたならフォーカシングはとても力強い道具となるということが理解できました。それから私は、フォーカシングへの独自のアプローチ法を研究してきました。その中で、ケアの仕事に携わり、フォーカシングをそうした現場に用いる仲間たちにも数多く出逢うことができました。
私は2006年からフォーカシングの講師をしており、カウンセリング技術と職業的なタッチを複合的に用いる「ボディワーク フォーカシング」グループの共同創設者のひとりでもあります。フォーカシングは身体中心のもので、自己ヒーリングや決断、他の人々の話に能動的に耳を傾けること、また友人、家族、クライエントに、いかにに深い叡智に到達するかを教える力強いツールでもあります。
フォーカシングによって、通常活動的になっている思考に支配されることなく、瞑想をするかのように内面へと入ることができるのです。
フォーカシングでは、思考よりもむしろ内側での感覚から真の叡智がやって来る、という仮定があります。 精神の注意を、内側での「感じられる感覚」に焦点が当てられるようにし、信頼できる洞察と気づきへの繋がりを築いて行くことを学びましょう。
大変シンプルな方法を、クラスではひとつひとつステップを踏みながら進んで行きます。心理学の知識は特に必要ありません。