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実践での問題や挑戦、それらを倫理的に扱うスーパーヴィジョンを学ぶ 1日クラス
Ethics and Supervision 倫理とスーパーヴィジョン
倫理とは何か?
倫理は道徳とは異なります。同じように捉える向きもありますが、道徳は規範や社会通念におけるルールを含むことがある一方、倫理は必ずしもそうした外部からの規制に沿うものではありません。
倫理を培うことは、自分自身のあり方や人との関わり方、相手そして自分自身への敬意といった深い領域へと入ることでもあります。倫理は、ひとりひとりが自覚を持って育て、自分自身の成長へとつながるものでもあるのです。
米国では今や、すべての手技療法家が2年ごとに倫理のクラスを受けることが義務付けされています。
私たちの実践の中で生まれてくる、クライエントとの関係性や倫理的なジレンマについて、お互い仲間として話し合い、経験を分かち合い、実践的に倫理について学んで行きます。
倫理というと何か難しい学問のように思えるかもしれません。
ですが、例えば以下のようなことがあなたのセッションや仲間との関係性、仕事における問題として起こったとしたなら、それは倫理に関わる事柄です。
・クライエントがセッションの代価として物品や援助を申し出てきた
・クライエントと大変親密な関係性になった
・同僚が職場でパワーハラスメントを受けているのを知ってしまったが、どうしていいのかわからない – 自分が職を失いかねない
・職場環境に問題があっても、それについて改善されない状況にある
・同僚がクライエント・患者に不適切な(伝えている情報と異なる)療法を用いて施術しており、本当のことを伝えていない
・クレームをつけてくるクライエントに嫌がらせを受けている
・クライエントに性的な関係性・手技を求められた
・今している手技や療法に満足していない自分自身に気づいているが、職を失いたくないのでそのままになっている
・家族や親戚、友人に無料で施術をしてくれとよく頼まれる
・自分のケアをないがしろにしている
などなど…
これらは倫理的に考察すべき例の一部であって、何も特殊なことでも珍しい事例でもないことがお分かりになるはずです。
こうした出来事や懸案事項を、私たちは我慢したり見過ごそうとしたり、他人に知られないよう秘密にすることもあります。また、人によっては同僚と一緒に職場外で上司の悪口や問題点について話してしまい、それが外部の人の知るところとなる、といった深刻なケースになるものもあります。
こうした問題が生まれる背景には、まず倫理観への理解と認識が不十分であること、倫理的な考え方の訓練がなされていないこと、そして守秘義務を守って話を聞いてくれ、あなた自身が道を見出して行けるよう支えてくれるスーパーヴァイザーがそう多くは存在していないことなどが挙げられます。
ボディワーク・手技療法では、個人経営やフリーランスである場合も多いので、何か問題があっても自分一人で解決しようとして孤立してしまう状況にあるとも言えます。
さらに、もしも同僚や学んでいる仲間がいるとしても、皆同じように自分の中で解決しようとしたり、ことを荒立てまいと秘密にしたりすることも珍しくはありません。しかし、それでは誰かが犠牲者となり、私たちの本来の役割を果たすには不適切な状況を作ることになってしまいます。そこには職業的・個人的倫理が欠けているのです。
これまでに学んできた手技や療法、技術を学んだ学校や講座、医療における約束事なども含め、実践のなかで現実的に起こるディレンマ(板挟みの状態)や複雑な問題などについて考察し、ケアや療法に携わる上で健全な環境を整える機会を得て下さい。スーパーヴァイザーを得るだけではなく、仲間とのスーパーヴィジョンが実践できるようになると、お互いを手助けしながら育て合う環境も培えるようになっていきます。